『パンチドランク・ラブ』@恵比寿ガーデンシネマ(Punch-Drunk Love 2002米;Dir. Paul Thomas Anderson; Music. Jon Brion; Adam Sandler, Emily Watson)

『ブギー・ナイツ』『マグノリア』の監督の最新作。不器用な男の運命的な恋、というテーマはさほど珍しいものではなく、むしろ古典的とさえ言えるだろう。しかし、それをいかに物語るかという点においてアンダーソンは抜群の才能を発揮しているように思う。

あと、この人はふとした感傷的な瞬間を撮るのがすごくうまい。現代のセンチメンタリズムがあざとさと紙一重であることを考えれば、こうした技法は、たとえば吉田修一の小説などと通じるものがあるのかもしれない。