日本アメリカ文学会東京支部月例会@慶應義塾大学(9/27)

昨日は後輩でもある永野文香さんの発表を拝聴。カート・ヴォネガットガラパゴス』(1985)論。知っての通り、ガラパゴス諸島は1835年にチャールズ・ダーウィンが調査船ビーグル号で訪れ、のちに『種の起原』を発表する契機となった場所。

どうしても気になったのがメルヴィルとの関係。ヴォネガットの小説では、人類を襲った悲劇の100万年後の世界から振り返って物語が語られているが、この「生き延びたもの」(survivor)の「語り」というのは、『白鯨』のイシュメールにも通じるモチーフだし、何よりメルヴィル自身が短篇「エンカンタダス?魔の島々」(1854)でガラパゴス諸島のスケッチを試みている。ダーウィンの進化論が文学に及ぼした影響については多くの先行研究があるが、そうした概論とは別に、メルヴィル?ヴォネガットのラインが鮮明に浮かび上がる発表だった、と個人的に解釈。いろいろヒントをいただきました。

その後、先日増田くん 上京の折に知り合った輪島くんのライブを見るために赤坂へ。ボサノヴァ〜ブラジリアン・ポップスの心地よい演奏と、美味しい料理を十二分に堪能する夜更け。