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しんどい。あらゆる意味で限界が近づいているなか、唯一楽しみにしているのがこれ*1M・ナイト・シャマランの新作『ハプニング』。すでにアメリカでは公開が始まっているようだが、予想通りあまり評判は芳しくない。でも私ことシャマランに関してはそうした評判はまったく信用しないことにしているし、なによりトレーラーを見るかぎりすでにシャマラン節が全開なので今から公開を楽しみにしています。

そういえば、PMLA*2の最新号にシャマランの『ヴィレッジ』論が載っていた。

Lauren Coats, Matt Cohen, John David Miles, Kinohi Nishikawa, and Rebecca Walsh "Those We Don’t Speak of: Indians in The Village" PMLA, Vol. 123, No.2 (March 2008)

PMLAは世界最大の文学・語学系の学会MLA (Modern Language Association)*3の機関誌。これに論文が載るというのは大変なことなのだが、ふだん映画論が掲載されることは少ないので(しかもシャマラン)驚いた。映画『ヴィレッジ』に17世紀ピューリタニズム、20世紀転換期のユートピアニズム、そして現代アメリカと三つの時代を読み込みながら、アメリカにおける先住民表象─(非)表象─を考察したもの。いくぶんアクロバチックな論理展開を含みつつも、『ヴィレッジ』をアメリカ文化史に照らし合わせて分析した論考は十分読み応えがあった。