吉本新喜劇@なんばグランド花月(8/16)

帰阪中、もっとも楽しみにしていたイベント。上方お笑い文化の総本山、なんばグランド花月で新喜劇、漫才、落語のセット公演を生で鑑賞。お盆の最中は、朝9時半に始まる回から一日4公演、ジャニーズもびっくりのハード・スケジュール。ぼくらは午後3時45分に始まる回のチケットをあらかじめ購入していたので、阪急、御堂筋線と乗り継いで、ついに聖地に到着。

あたりは既に人集りの山。我々巡礼者は、たこ焼きをつまみつつ待機。こういうのは、徹底的にベタにいかないとモチベーションもあがらない。3時半過ぎ、入場。座席はなんと一階一列目。文字通りかぶりつき状態である。お盆のさなかであることも手伝って、会場はあっという間に満員御礼、立ち見客も溢れんばかり。また、客層も老若男女、小さな子供からおじいさんおばあさんまで、きれいに三世代にまたがっている。たとえば東京の催し物をいろいろ考えてみても、これだけの世代的振り幅を誇る娯楽ってちょっと他に見あたらないのではないか。強いて言えば、ディズニー・ランドくらいか。どんなコンサートや演劇のプログラムでも、これだけバラエティーに富んだ客層には恵まれないだろう。なかには、「お盆に一家総出で吉本観劇」を年中行事にしているような輩もちらほらと。これが大阪の「笑い」の底力なのだろう・・・。といってる間に、新喜劇がはじまった。

辻本茂雄サイコー。今回は「あご」ネタを完全に封印していたようだが、それでもつっこみとボケを自在に操りながらあらゆる笑いを引き出していたのは、見事と言うほかない。ローテーション・トークの「ウエストサイド物語版」は死ぬほど笑った。漫才はティーアップ(ふつうに面白い)、やすよ・ともこ(素晴らしい。東京/大阪ネタに更に磨きがかかる)、B&B(本日のベスト・パフォーマンス。島田洋七が殺気立っていた。)カウス・ボタン(もともとあまり好きではない。ふつー)のラインアップ。そして最後に文珍の落語。お題は「老婆の休日」。

新喜劇から漫才、落語と、全編に適度な下ネタを盛り込みつつ、三世代に通用する笑いを振りまく芸人魂に感服。またそれをしっかりと育む大衆文化の力をまざまざと見せつけられた。これは毎年観たいぞ。