サントリー学芸賞

こちらでのご報告が遅れましたが、このたび拙著『アメリ音楽史ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』(講談社選書メチエ)で第33回サントリー学芸賞(芸術・文学部門)を受賞しました。*1



今年は本書と、長谷川町蔵さんとの共著『文化系のためのヒップホップ入門』(アルテスパブリッシング)を出しましたが、紙幅の都合であとがきでも受賞の言葉でも触れることができなかったことについてひとことだけ。

僕は学部時代、竹内まりやさんや杉真理さんを輩出した音楽サークルに所属していました。星の数ほどある音楽系団体のなかからこのサークルを選んだ理由は、先輩方の演奏技術がとても高かったのと、音楽に詳しい先輩が多かったからです。まるで日本中の音楽マニアを集めたかのような(と入学当初の僕には思えた)環境に身を置き、中学時代からバンドを組んでいっぱしの音楽ファンを気取っていた自分の「聴き方」は完全にリセットされました。プロデューサーやスタジオ・ミュージシャン、それにアレンジャーの名前で音楽を聴くことを憶えたのも学部時代のことだし、自分だけでは決して手を伸ばすことがなかったさまざまなジャンルの音楽に接することができたのもこのサークルのおかげです。結果的に人よりも長く(かなり長く)大学に残ることになりましたが、『アメリ音楽史』は学生時代の音楽活動抜きには語れない書物です。慶応大学リアル・マッコイズの仲間に最大限の感謝を捧げます。

その意味でも、今年twitter上で竹内まりやさんの生みの親ともいえる音楽プロデューサー、牧村憲一さんに『アメリ音楽史』に言及していただき*2山下達郎さんにファンクラブ会報で『文化系のためのヒップホップ入門』を取りあげていただいた*3のは望外の喜びでした。ありがとうございます!

受賞の言葉と選評は下記に。

アメリカ音楽史 ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで (講談社選書メチエ)

アメリカ音楽史 ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで (講談社選書メチエ)

文化系のためのヒップホップ入門 (いりぐちアルテス002)

文化系のためのヒップホップ入門 (いりぐちアルテス002)