太陽肛門スパパーン・レコ発ライブ@池袋手刀(7/18)

とは言ったものの、ヴッパタール舞踊団の優雅なパフォーマンスの直後に、ブリーフ一丁の男達を観に行くのもどうかと少し迷う。が、結局8時過ぎに池袋に到着。北口のラブホテル街を抜けてライブハウス手刀(チョップ)へ。

総勢20人近くのプレイヤーがステージに所狭しと並ぶ姿は壮観。しかもそのうち15人くらいはブリーフ一丁で残りは(主にストリングス)はタキシード。素晴らしい。とにかく太陽肛門スパパーンに関しては、ドラマーの中原康仁が早稲田ハイソのレギュラーを長らく張っていたとか、渋さ知らズ泉邦宏が参加しているとか、初期には現ゴスペラーズ村上てつやもコーラスで参加していたなど、その演奏力は折紙付き。変拍子やブレイクだらけの超難曲に政治的なメッセージが込められた楽曲群はフランク・ザッパやサン・ラ・アーケストラを彷彿とさせる。

途中、ダンサー(もちろんブリーフ一丁)が自衛隊派遣を題材にしたパフォーマンスをフロアで披露し(実際はパフォーマンスなどという生温いものではない)、会場は大盛り上がり。もちろんこの場合「盛り上がる」ことが正しいライブ体験だとは思うが、主幹花咲政之輔がステージ上で時折見せる眼光の鋭さに個人的には背筋が寒くなる思いをした。政治的であることと音楽的であること。これは古くからある問題だといえるが、現代の学生運動に深く関わってきた人物ならではの切実感がひしひしと感じられた。一言でいえば、不穏なステージだった。そしてその不穏さそのものに、僕は強烈に惹かれた。