追悼ライブ
学生時代に所属していたサークルの先輩、門脇さんの訃報が届いたのは昨年の4月のことだ。門脇さんはひとつ上の代の代表で、僕にとってももっとも身近な先輩の一人だった。うちの大学は一、二年と三、四年のキャンパスが分かれているので、ひとつ上の代とはとくに長い時間を一緒に過ごすことになる。ライブ、合宿、飲み会と年中続くイベントをともにしながら、毎日のようにキャンパスの「たまり」場で延々と無駄話にあけくれた。
あまりに突然のことで、呆然としたまま通夜に向かった。死因は心筋梗塞だという。どうしても実感がわかず、飲み会に流れたあともみな学生時代のように呑んだくれていた。いつものはにかんだ笑顔を浮かべながら、門脇さんがひょっこり現れるのではないかと誰もが思っていたはずだ。
あれから一年。先週の土曜日、門脇さんと同じ代が企画した追悼ライブが渋谷で開催された。遅れて会場に着くと、すでに懐かしい顔ぶれがステージとフロアにあふれていた。二年前に大掛かりなOB会をやったばかりだし、定期的に会っている連中ももちろんいる。それでも、門脇さんのために集まった今回のライブはやっぱり特別だ。
ステージでは15年前と変わらない演奏が繰り広げられていた。飯田さんのギターをバックに佐藤さんがレオン・ラッセルを歌い上げ、以前と同じようにバッキーがソウルフルなボーカルを披露し、小松さんたちの超絶技巧は相変わらず観客の度肝を抜いていた。何も変わらないなあ、と思っているうちにライブは終了。締めの挨拶に立った佐藤さんを見て、はじめて門脇さんがいないことを実感した。
その後は場所を移して二次会へ。みんなどこか寂しさをかかえながら、それでも門脇さんを肴に懐かしい気持ちで飲んでいたように思う。おつかれさまでした。
門脇さんといえばやっぱりこの曲。別にクリスチャンではないけれど、小坂忠が牧師だと思うと胸に沁みます。