古川日出男
現在発売中の『ユリイカ』(特集*古川日出男─雑種の文学)に「アンダーワールド─古川日出男と地下の想像力」という小論を書きました。古川日出男が常々言及する「音楽や映画など他ジャンルへの負債」を意識してドストエフスキー、ボブ・ディラン、クストリッツァのラインで構成しています。この作家は「ゲーム」や「神話」、そしてなにより「歴史」との向き合い方において、日本だけでなく世界文学の中に位置づけるのが適切ではないかと(日本におけるゲーム的世界観の世界的な広がりという面も含めて)思います。
心残りなのは、構想の段階で準備していた村上春樹との関係を論に組み入れられなかったこと。とりあえず、ここでは古川日出男の「地下世界」が村上春樹の「井戸」と確実に通じ合っている(はずだ)という点だけ書き留めておきます。
あれ、↓はまぞうというかアマゾン、画像を表示しないのね。
(8/13追記:あ、いつのまにか表示してる)
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